Linux デスクトップ環境 2017

Linux デスクトップ環境 2016 - eagletmt's blogの人に影響を受けて自作PCでLinuxデスクトップを使い始めてから約1年半が経ち、僕の使う環境が一通り満足な状態になったので今どういう構成なのか書いておく。

僕はKeynoteを使う時とか会社のマシンでmacOSも割と使う都合、基本的に操作性がmacOSに近くなるようにしているので、macOSからLinuxに移行したい人の参考になるかもしれない。 *1

そもそも何故Linuxデスクトップを使っているのか

「苦労してmacOSに近づけるくらいなら最初からmacOS使えばいいじゃん」と言われそうだが、今この瞬間は大体以下の理由でLinuxデスクトップを使っている。

  • 趣味で作ったスペックが高めの自作PCmacOSが入れられない *2
  • 最新のmacOSではKarabinerが使えないが、Linuxでは自作のキーリマッパーが使える
    • Kababiner-Elements+keyhacに移行したけど、keyhacはたまにリマップされないことがあり困る
  • 仕事でサーバー用途にLinuxを使うことが多いのでLinuxに触る機会を増やしたい
    • パッケージ管理システムとか、strace, perfみたいにmacOSでは使えないツールの話
  • MacBookが高いので今後ノートPCを買う時にThinkpadとかにしたい

現在のLinuxデスクトップ環境

ディストリビューション: Ubuntu GNOME 16.04

去年はずっとArch Linuxを使っていたんだけど新年になってから気分転換にUbuntu GNOME 16.04を使っている。上述の「サーバー用途にLinuxを使う」勉強のため、サーバーやDockerによく使っているUbuntuにしている。

ArchはArchWikiが充実してるのと常に最新のパッケージが降ってくるのが便利だけど、パッケージをアップグレードするとたまに壊れる。Ubuntuはそこは安定しているイメージ*3だが、その分パッケージで普通に入るソフトウェアが基本的に古いので開発者にとっては多分Archの方が使ってて楽しい。

デスクトップ環境, ウィンドウマネージャ: GNOME, Mutter

普通のUbuntuだとデスクトップ環境としてUnityが入るんだけど、compizのウィンドウ切り替えがあまりにも遅くて苦痛だったのでGNOMEにした。ディストリビューションUbuntu GNOMEなのはそのため。

タイル型WMに興味があったのと動作が軽いので最初の半年くらいデスクトップ環境を使わずawesomeやxmonadを使っていたけど、僕はターミナルを半透明にしてTwitterとブラウザに重ねてVimとshellとTwitterとブラウザを同時に見るということをやっていて、ウィンドウを重ねるのがタイル型WMと相性が悪いのでやめた。

動作の軽さで言うとデスクトップ環境にxfceは試したことがあるが、僕は4KディスプレイをHiDPI(x2.0)で使っていて、HiDPIの対応がGNOMEに比べ微妙なので使っていない。GNOMEは綺麗かつまあまあ軽快なのでおすすめ。

使っているGNOME拡張 macOS風にするためにいくつかGNOME拡張をいれている。

  • Dash to dock: Dockを出しっぱなしにする
  • GNOME Shell Frippery: 日付と時刻を右端に出す
  • Panel osd: 通知の表示位置を右上にする

キーリマッパー: xmodmap, xremap

ErgoDox以外のキーボードを使う時にキー単位のリマップはxmodmapを使っていて、キーの組み合わせのリマップにはLinux向けの最強のキーリマッパーを作った - k0kubun's blogに書いたxremapを使っている。

xremapを使ってターミナル以外の場所でのEmacsバインディングを有効化*4していて、これがとても捗る。普通に設定するとデフォルトのC-a(全て選択)等が潰れてしまうが、macOSのCmd-aのようにAlt-aをC-aとして使っていて、大体macOSと同じように操作できる。xremapはDSLがシンプルなのでそういう複雑な設定を書きやすいのが利点だと思う。

ターミナル: rxvt-unicode

最初にrxvt-unicodeを選んでから他のを試していないけど、macOSでiTermを使っていた時に比べると高速に感じるし、特に困ることがないのでそのまま使っている。

日本語入力: ibus-skk

Linuxデスクトップを始めた時にuim-skkが何故か動かなくてworkaroundとしてibus-skkを選択しそのまま使っている。ibusはたまになんか困るような気がする*5けどまあAquaSKKとかと同じ感覚で普通に使える。

ファイラ, ビューア, スクリーンショット: Nautilus, eog, gnome-screenshot

特にこだわりがないのでGNOMEに標準添付のものを使っている。スクリーンショットImageMagickimport(1)を使うと画像に枠線が入ってしまうことがあるのでそれはやめた。

フォント: Ricty Diminished

ArchだとRictyを使っていたが、UbuntuだとRictyを入れるのが面倒なのでRicty Diminishedを使っている(雑)。4KディスプレイかつHiDPIだとフォントに関わらず文字が綺麗に見えるので金パワーは便利。

ブラウザ: Google Chrome

ほとんど説明不要だと思うけど、インストールが楽なchromium-browserを使っていないのは、「論理行単位の移動」を使うためにgtkrcのparagraph-endsを活用したくて.gtkrc-2.0が使える方を選んだため。

Twitterクライアント: Nocturn

LinuxだとYoruFukurouが使えないので、ElectronでYoruFukurou風のTwitterクライアントを作った - k0kubun's blog *6に書いたNocturnを使っている。自分好みに作ったので全OSで常用していて、そこそこメンテしている。

パスワードマネージャ: 1Password

他にLastPassとKeePass(X)を微妙に試したんだけど、今節約中なのでLastPassに課金したくなかった*7のと、KeePass(X)はHiDPI対応が微妙で1Passwordと比較して特にメリットがなかったので、結局使い慣れている1Passwordを渋々wineで使っている。インストールは面倒なので自動化してある

ブラウザ拡張も動くしDropboxでVaultを同期すればまあ普通に使えるが、挙動が遅めなのでLastPassへの移行も考えている。

音楽プレーヤ: Google Play Music

iTunesから移行した。たまたまiTunes Storeで買ってた曲が全てm4a(DRM free)だったので、曲のフォルダをまるごとアップロードするだけで移行が完了した。iTunes Matchと違って50,000曲まで曲のアップロードが無料だし、iOSアプリのクライアントも使いやすいので普通に便利だと思う。

気持ち

UbuntuとかGNOME使ってて大分ミーハーな感じだけど普通に使いやすい。MacBook高いしやめたいと思っていて、iOSアプリ作るみたいな用事もないみたいな人はLinuxデスクトップは試す価値があると思う。

*1:実際の設定手順は http://qiita.com/k0kubun/items/d2359ad51cf1cf783f4d に書いてメンテしている。自動化しない方が運用コストが低いものは手で入れている。

*2:スペックが高いので普段使いしたいが、自作している以上Appleのハードウェアではないので利用規約macOSを入れてはいけないという話 id:otituke

*3:Ubuntuを使ってる期間はまだ浅くて実際はどうなのか知らないので、あくまでイメージ

*4:ちなみに、C-aがC-Alt-aになっているのは、これを単にHomeにすると表示行移動になってしまうからで、gtkrcと連携して論理行移動できるようにしている dotfiles/.gtkrc-2.0 at 98aede78a0dc2c30f24d34e1452498d0d1f7fe85 · k0kubun/dotfiles · GitHub。これをgtkrcだけでやると、例えばC-kがGitHubに奪われるので、一度Altつきにリマップすることでそれを回避している。

*5:ちゃんと現象と原因を分析できてないので書くのは控えておく

*6:当時の記事と違い、今はデザインはオリジナルになっている

*7:1Passwordは既に買い切りのライセンスを持っている